「地元の会社で宴会とか会食とかあれば、ほとんどが竹林さんですよ!」と、京阪宇治駅で乗ったタクシーの運転手と話をしながら向かったのは、京都・宇治市にある「竹林本店」。
お店は、観光エリアからは少し離れたところにあり「地域の方々に支えられているお店です」と話す2代目の下口さん。入園・入学・卒業のお祝いや家族行事等、冠婚葬祭などで利用されている方も多く、まさに地域に密着したお店。また、地元の方の女子会でも利用されているそうです!
今回「いつでも美味しい料理を楽しんでもらえるように」という視点で新しいチャレンジを行うということで、竹林本店にてお話を伺ってきました。
取材協力:竹林本店
家族でくつろげる空間を提供するお店
JR宇治駅といえば、平等院とそれに続く表参道などの観光スポットが有名ですよね。竹林本店は、JR宇治駅より徒歩10分の宇治市の中心部にあります。
この地で創業50年。
これは、地元で愛されている証拠なのではないでしょうか。
店内はいくつかの部屋に分かれており、テーブル席、座敷、広間、個室など、様々なシーンに対応できるようになっています。
下口さんのルーツは「茶懐石」ということもあり、茶懐石のおもてなしの精神を大切にしているんだとか。繊細に組み立てられた料理はもちろんですが、こういった雰囲気づくりも大切なんでしょう。
取材ではあるものの、緊張感はなく穏やかな時間を過ごさせていただきました。
お客様の声から生まれた「冷凍・鯖姿寿司」
和食の基本でもあり、特に「茶懐石」では美味しさはもちろんのこと「食べやすさ」にも気を使い、一口で食べられるようなサイズで提供したり、大きいものは箸などで簡単に切れるのかなど考慮し提供しているんだとか。竹林本店での食事では、そういったきめ細かい部分までお客様への配慮を心がけているそうです。
そして、今回新しい試みとしてチャレンジしているのが「冷凍の鯖姿寿司」。
鯖姿寿司は、竹林本店が創業より作り続けている料理の1つです。生の鯖にこだわっていて、真冬の一番脂がのっている鯖を仕入れて鯖寿司として提供しています。
出来立ての鯖姿寿司を試食させていただきました。
これはうまい。
脂がのった厚みのある鯖は、程よくお酢を感じる酢飯との相性が抜群(個人的な印象では、お酢は控えめだと思います)。歯切れもよく、口の中で旨味が広がります。さらに、1本あたりのボリュームがかなりあるので成人男性2名で分けても十分楽しめる量ですね。
店舗ではもちろん、オンラインでの販売も行ってきたそうです。
今回のチャレンジは、これを冷凍で販売するということ。
この鯖姿寿司をなぜ冷凍で提供しようとした理由。それは、お客様のライフスタイルにできる限り寄り添い、かついつでも美味しい状態で食べてほしいという想いから。
鯖姿寿司を購入されたお客様から「1本の量が多いから、冷凍(冷蔵)保存して別日に食べている。」というお声があったそうです。実は、生の姿鯖寿司は常温でお送りしているので、到着日が一番美味しい状態になっています。
さらに、ご自宅で冷凍してしまうと、解凍時にどうしても味や風味、食感が損なわれてしまうんだとか。(冷蔵の場合も同様だそうです)
「それならば、お店で小分けにして冷凍すれば、いつでも食べたい量を美味しい状態で食べてもらえるのではないか!」と、考案したのが今回の「冷凍の鯖姿寿司」というわけ。
電子レンジの解凍機能を使い、中にまだ硬さが残るくらいに解凍。その後、常温で数分置いておくことで全体的に温度が均一になり、常温に引けを取らない状態の鯖姿寿司の完成です!
温めすぎてしまうと、鯖に熱が通ってしまうので注意が必要ですが、この再現性はすごいですね・・・!
専門店に負けない料理を提供することが目標
「最近は、色々な専門店が流行っていますよね。そんな中で、うち(竹林本店)は何屋さんなんだろう、と考えてしまうことが多くなったんですよ。」と、話す下口さん。
確かに、和食カテゴリの中でも1つの料理に特化した飲食店が増えてきているのも事実です。そして、人気も高いですよね。
そこで下口さんが出した答えがこちら。非常にシンプルなんですが、これが最強説!
「どのカテゴリでも、専門店に負けない料理を作れば良い。」
今回の冷凍の鯖姿寿司を考案した際にも、色々なお店の鯖寿司を研究し完成させた料理なんだそうです。
茶懐石のおもてなしの精神、料理・食材へのこだわり、そして専門店に負けない1品を!
まとめ
地元に愛されるお店が、お客様の声から考案した「冷凍の鯖姿寿司」。これは、竹林本店としての1つの答えでしかなく、お話を聞いていると様々な展開を構想しているのが良くわかりました。
新しいことへのチャレンジは、どの時代でもいつかやってるく必然的なこと。こだわりや想いを引き継ぎつつ、この先どのような形で竹林本店の魅力を発信していくのかとっても楽しみです。